健康な成人への新型インフルエンザ予防接種情報


 すでに報道等で伝えられている通り、1月下旬より、優先接種対象者以外の方々(健康な成人)への新型インフルエンザワクチン(H1N1/2009)の接種が開始されました。具体的な開始時期は都道府県ごとに異なり、全国一律開始ではありませんので、接種を希望される方は居住地の都道府県あるいは市町村のホームページ等で確認してください。
1. 新型インフルエンザ(H1N1/2009)現在までの概要
2010年第2週のインフルエンザの定点当たり報告数は8.13(患者報告数39,053)となり、2009年第49週以降減少が続いています。定点報告数が10を切ったということは、流行の警報が解除された地域もでてきていることになりますが、まだ10を超えている地域もありますので引き続き予防に留意することは肝要です。詳細は、国立感染症研究所 感染症情報センター参照ください。
  URL:http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/
今回の新型インフルエンザ(H1N1/2009)については以下のような傾向が見られました。
● 感染者の70%以上が20歳未満の年齢層でした。
● 感染力は強く学校等では集団発生もみられましたが、家族内感染(感染した子供から親等への二次感染)は少ない状況でした。
● 健康なほとんどの人は、重症化せず(軽症のまま)回復しました。
● タミフルなどの抗インフルエンザ薬による治療が有効でした。
● 日本においては、致死率は季節性インフルエンザより極めて低いものでした。
2. 新型インフルエンザワクチン(H1N1/2009)の概要
すでに新型インフルエンザワクチン(H1N1/2009)は2009年11月から優先接種対象者に対して順次接種が進められてきました。今回はその接種対象者を「健康な成人」にも拡大して実施するものです。以下が今回の新型インフルエンザワクチンの概要です。
@ 新型インフルエンザワクチン(H1N1/2009)は、任意接種(接種希望者の意思)で接種するものです。接種を希望される方は、接種開始時期および接種可能な医療機関を確認し、医師の説明を得て接種をしてください。
A 13歳以上の健康な人は、「皮下注射で1回接種」になります。
B 季節性インフルエンザワクチンは今回の新型インフルエンザウイルスに対しては有効ではないと考えられています。よって新型インフルエンザウイルスに対しては、季節性インフルエンザワクチンを接種した人も、新型インフルエンザワクチンの任意接種は必要です。
C 但し、今回の流行で明らかに新型インフルエンザに感染した人は、今回実施される新型インフルエンザワクチンの接種は不要です。
D 新型インフルエンザワクチンは、今回初めて製造されたため、その効果についてのデータは限られていますが、これまでに以下のことがわかっています。
◆ 体内にインフルエンザウイルスが侵入し増殖した状態を感染といいますが、感染後1〜7日の潜伏期間を経てインフルエンザを発症することを一定程度抑える効果があります。
◆ 発症した場合でも、肺炎などの合併症(重症化)を防ぐことができます。
◆ 1回の接種で、1〜2週間後に抗体が上昇し始め、1ヵ月後までにはピークに達し、3〜4ヵ月後には徐々に低下傾向を示します。
E これまでの優先接種対象者への接種データから、いくつかのワクチンの副反応の報告もあります。但し季節性インフルエンザワクチンと同様、接種後の発熱や頭痛、倦怠感、接種部位の発赤、腫れ、痛みなど数日で消失するものが多いです。
F その他詳細は、厚生労働省 新型インフルエンザワクチンQ&A参照ください。
   URL:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/vaccine_qa.pdf
3. 今後も予防法は継続しましょう
◎ 手洗いを行う
インフルエンザウイルスは手によって運ばれますので、石鹸と流水を使ってよく手を洗いましょう。手についたウイルスを取り除くことができます。特に@出社直後 A昼食前 B帰宅直後の3回は有効です。また外出した際も状況に応じて適宜手洗いを行ってください。手洗いの時間は最低20秒程度念入りに行います。石鹸と流水が利用できない環境では、手指用アルコール消毒の利用も有効です。
◎ 十分な睡眠、バランスのとれた栄養をとる
食事から肉や魚・鶏卵などの良質のたんぱく質、野菜や果物などのビタミン類を過不足なく摂りましょう。また疲れを翌日に持ち越さないように十分な睡眠を心がけましょう。これらはからだの抵抗力を高めるために大切です。